商品先物取引で一攫千金
明るい展望
2007/08/08-09:47
 豊商事の石黒文博社長はこのほど「2年間は社長職に専念し、外国為替証拠金取引(FX)や商品ファンドなどの収益比率をアップさせたい」などと収益構造を見直す考えを明らかにした。

 ―社長就任から1カ月が過ぎた。

 多々良義成会長(現相談役)に社長をと言われ、信じられない思いだったが、2月中旬から時間を見つけては帝王学を学んできた。福井支店に入社以来、40年以上営業一筋で、内勤との接点があまりなかった。最近は会議や食事で内勤社員と顔を合わせる機会が増え、優秀な社員が多いことに気づかされる。(内勤の)プロになれと励まし、インセンティブを与え、営業との溝を埋めていきたい。

 会社には明るい展望を持っており、(現状に)耐えられる自信もある。相談役と会長の2人が業界団体や取引所の役職に就いていることもあり、自分としては2年間は役職を受けないつもりだ。

今の収益構造は、商品先物8に対し、FXやファンドが2。2年後にこれを6対4に変えたい。商品先物はこれまで通り、個人リテールが中心。ディーリング部門は自己玉規制比率の問題で分社化した。

 今後、FXはさらに伸びるだろう。2年半前から、東京金融先物取引所の「くりっく365」に参加しているが、相対取引の「e―kawase」からくりっく365に移る顧客が増えている。法人はe―kawase、個人はくりっく365にすみ分けされつつある。FXは商品先物のように何度も追い証を求められず、ある意味で先物のロスカット商品と同じだ。宮崎や愛媛に支店があるのは豊商事だけだが、商品先物が伸びなければ、くりっく365の受託に特化してもいいと思っている。くりっく365の口座数は3000まで増やしたい。

 ―勧誘方法など営業環境の変化への対応は。

 参院で民主党が第1党になった。秋からの国会審議で、商品先物について不招請勧誘禁止の導入が議論される可能性もある。業者数がさらに減少する恐れがあり、業界全体が立ち直ることができるか心配だ。

 豊商事では付き合いの長い顧客が多い。こうした顧客は年に2、3回訪れるトレンドに乗って利益を上げ、それが業績に反映されている。相場に対する強さを自負しているし、今後も顧客第一主義を続けていきたい。

 中心銘柄は何といっても金。ミニ取引もスタートしたので、相場が上昇すれば市場全体のムードが変わると思う。

 ―東京工業品取引所の市場改革など、取引所も変わりつつある。

 取引の2時間延長はやむを得ない。24時間取引はコストなどの面でどうかと思うが、自ら変わろうとしている取引所を応援したい。ただ、システム化による固定費とともに、取引所などに払う会費は高過ぎる。6、7月の東京穀物商品取引所のNon―GMO大豆の取引量は豊商事がトップ。会費はボリュームディスカウントなどの割り引きがあってもいいと思う。取引所が実施するキャンペーンなどによる「義務商い」は過去のもの。昔は(取引所に取引員が)加入させてほしいとお願いしていたが、今は取引員が取引所を選別する時代になった。

 ―(筆頭株主の)アエリアとの関係や社内体制は。
 アエリアとは友好的な関係だ。(共同開発した無料バーチャルゲームの)CX、FXカフェでは若いディーラーを育成したい。

 今年は55人の新人を採用したが、退社したのは2人だけで、定着率が高くなってきている。新人は純金や地金を売っており、販売先が商品先物の顧客になるケースが出始めた。適合性の原則や再勧誘禁止などのコンプライアンス(法令順守)を貫いた上で、どんどん(営業は)外を歩けばいいと思う。

 上下関係に厳しい同業他社が多い中、アットホームで和の心を大事にするのが豊商事。社員に「豊商事は誰の会社」と尋ねると「私の会社です」と答えが返ってくるほど愛社精神が強くなっている。今いる社員を大切にしたい。



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